LA GRANDE ILLUSION
幻覚とは「対象無き知覚」である。いい言葉だ。的確な説明だし、知覚していたものが実在しなかったという対象の喪失、実在しないものを知覚していたという知覚への落胆が儚くていい。対象の無いものを知覚しうるというミステリアスで修辞的な言葉も、更に経験があれば自分の経験と結びつき実感を呼び起こす。
もし世界が、つまり自分が見たこと、聞いたこと、経験したこと、存在していると思っていたもの全てが本当は存在しないものだったとしたら、素晴らしすぎて驚きたい。激昂落胆焦燥恋慕していた自分を慰め諌め戒めればいいのだから。
そして本当は存在していなかったその精巧かつ緻密な世界の美しさと虚しさに万雷の拍手を！
＿＿what if all the world you used to know is an eleborate dream?＿＿
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